【4月12日 AFP】英国のリズ・トラス(Liz Truss)外相は11日、ウクライナ南東部マリウポリ(Mariupol)でロシア軍が化学兵器を使用したとのウクライナ側の主張について、検証を進めていると明らかにした。

 トラス氏は「こうした兵器の使用は紛争の激化につながりかねない。われわれは(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領とその政権の責任を追及していく」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ウクライナのイバナ・クリンプッシュ(Ivanna Klympush)議員はツイッターで、ロシア軍はマリウポリで「属性不明の物質」を使用したと指摘。市民らが呼吸困難を訴えているとして、「(使われたのは)化学兵器である公算が大きい」との見方を示していた。

 ウクライナの精鋭部隊「アゾフ連隊(Azov Regiment)」も11日、メッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、ロシア軍が無人機を使ってマリウポリのウクライナ兵と市民に「毒物」を投下したと主張。被害者は呼吸困難や神経障害を訴えていると説明した。

 連隊の創設者であるアンドレイ・ビレツキー(Andrei Biletsky)氏は、毒性物質に触れた症状を示している人が3人いると語った。

 AFPはウクライナ側の主張について、裏付けを取れていない。

 ロシア通信(RIA)によると、東部ドネツク(Donetsk)州の一部を実効支配する親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の幹部、エドゥアルド・バスリン(Eduard Basurin)氏は11日、マリウポリを包囲する部隊は「モグラを穴からいぶり出すため化学部隊の力を借りる」ことも可能だと述べていた。

 ロシアは、ウクライナ侵攻で戦争犯罪を一切していないと主張している。(c)AFP