【4月12日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、韓国国会でビデオ演説し、ロシア軍が包囲する南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)で「数万人」が殺害されたとの見方を示し、韓国に軍事支援を求めた。

 大統領は、ロシア軍がマリウポリを「完全に破壊し、焼き尽くした」と述べ、「少なくとも数万人のマリウポリ市民が殺されたはずだ」と訴えた。その上で、戦闘機や戦車といった軍備の提供を要請。朝鮮戦争(Korean War)に言及し、韓国に与えられたのと同等の国際支援をウクライナも受けるべきだとの考えを示した。

 韓国国防省はAFPに対し、同国は対ウクライナ支援として防弾ヘルメットや医療キットなど殺傷能力のない装備品に約10億ウォン(約1億円)を拠出したものの、最近ウクライナが希望した対空兵器については、自国の「軍備態勢」に影響が及ぶとして、提供に至らなかったと説明。同省関係者は、自国の安全保障状況を踏まえると、韓国が「ウクライナに殺傷能力のある兵器を供与する能力は限られている」と語った。(c)AFP