【4月9日 AFP】ウクライナ当局は8日、首都キーウ近郊ブチャ(Bucha)で集団埋葬されていた遺体を掘り返す作業を開始した。警察は、ロシア軍の戦争犯罪を立証する第一歩としている。

 地元の人々は教会の裏手に長く深い溝を掘り、2月26日に侵攻してきたロシア軍に殺害されたとする人々を埋葬していた。

 警察官らが書類と照らし合わせながらクレーン車を使って地面に並べられた遺体を確認した。溝の周辺には非常線が張られ、掘り返された遺体の大半は黒い遺体袋に入れられていた。

 キーウ州の警察長官によれば、溝にはウクライナ兵2人を含む40人が埋葬されていた。

 遺体には銃創があり、空爆や砲撃に巻き込まれたのではなく、ロシア軍に意図的に射殺されたという主張を裏付けるとしている。

 警察長官は「国際法は軍事衝突中の民間人殺害を戦争犯罪と定義している」として、「これは戦争犯罪以外の何物でもない」と主張した。

 遺体を掘り返したのは裁判に備えての証拠集めのためで、これから法医学的な検査と検視を行うとしている。(c)AFP