【4月9日 AFP】第1回投票を10日に控えたフランス大統領選で、現職のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏は8日、最大の対立候補である極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首に対する批判を展開した。ルペン氏は世論調査の支持率でマクロン氏を猛追。マクロン陣営は危機感を募らせている。

 マクロン氏は仏紙パリジャン(Le Parisien)のインタビューで、ルペン氏が社会政策面で有権者に「うそ」をつき、社会の分断を狙って「人種差別的」な公約を掲げ、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)との関係に「満足顔」だと非難した。

 ルペン氏は7日、自党が厚い支持基盤を持つ南部ペルピニャン(Perpignan)で開いた第1回投票前最後の選挙集会で、大統領の座に「ここまで迫った」ことは過去にもなかったと声を弾ませた。

 極左候補のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏も、マクロン、ルペン両氏を追い掛けており、24日の決選投票に進む望みを捨てていない。

 8日は、選挙運動が認められる最終日となった。9日午前0時から、投票が締め切られる10日午後8時(日本時間11日午前3時)までは、選挙集会やインタビューなどの活動は禁じられる。

 調査会社オピニオンウェイ(OpinionWay)とケア・アンド・パートナーズ(Kea & Partners)が実施した世論調査で、7日に公表された結果によると、第1回投票でのマクロン氏の支持率は26%で、ルペン氏は22%に迫っている。メランション氏も支持を広げ、17%となっている。

 もし現時点で決選投票が行われたとすればどの候補に投票するかという質問では、53%がマクロン氏を選び、47%がルペン氏を選んだ。前週の調査結果よりも、その差は縮まった。

 仏世論研究所(Ifop)とコンサルティング会社フィデュシアル(Fiducial)による最近の世論調査でも同様の傾向が示されており、第1回投票での支持率はマクロン氏が26.5%に下がり、ルペン氏が24%となった。一方決選投票では、マクロン氏が52%、ルペン氏が48%となっている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS