【4月2日 AFP】スリランカで2日、経済危機に対する抗議デモの激化を受けてゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領が非常事態を宣言した数時間後、軍が出動した。

 人口2200万人を抱えるスリランカは現在、1948年に英国から独立して以来最悪となる経済危機に見舞われており、物価高騰や生活必需品の深刻な不足、大規模な停電が発生。ラジャパクサ氏の退陣を求めるデモが全土に広がっている。

 最大都市コロンボ(Colombo)では先月31日、暴徒化したデモ隊がラジャパクサ氏の私邸への侵入を試みる事態が起きていた。

 ラジャパクサ氏は1日夜、非常事態を宣言。目的について「社会の秩序を守り、日常生活に不可欠な物資やサービスの供給を維持する」ためと説明した。

 既にガソリンスタンドなどには交通整理のため自動小銃で武装した兵士が配備されていたが、2日に増員された。

 非常事態宣言により、軍は容疑者を逮捕し、裁判なしで長期間拘束することが可能となる。警察官の一人は、軍は権限を拡大され、独自の判断で行動できると説明した。

 3日には反政府デモが予定されていたため、活動家はソーシャルメディアを使って自宅前でデモを行うよう呼び掛けている。(c)AFP