スリランカ、100%有機農業計画を中断 紅茶生産への打撃受け
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【10月19日 AFP】スリランカは19日、世界で初めて国内の農業をすべて有機生産にするという野心的な計画を一時中断し、化学肥料の輸入禁止を解除した。
ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領は今年5月、自国で100%有機農業を目指すとの方針を示し、化学肥料の輸入を全面的に禁止していた。
ラメシュ・パティラナ(Ramesh Pathirana)プランテーション相は19日、最大都市コロンボ(Colombo)で記者会見し、今回の方針転換について、年間輸出額が13億ドル(約1480億円)に上るセイロン紅茶の生産者を救うためだと説明した。
パティラナ氏は「工場で生産された紅茶の品質が落ちたという事実を考慮し、政府は(化学肥料の)硫酸アンモニウムの輸入を決めた」と述べた。
同氏は、国内の農業が必要とする量の有機肥料が生産できるようになるまで、化学肥料の輸入を継続するとしている。
ラジャパクサ大統領の先の方針を受け、茶園主をはじめ農家は怒りの声を上げ、有機肥料の不足や収穫量の減少に伴う悪影響を警告していた。
パティラナ氏と共に会見に臨んだ政府報道官は、ラジャパクサ政権は「融通が利かない政府」ではなく、「われわれは国民の要求に敏感だ」と述べた。(c)AFP