【4月2日 AFP】2008年米大統領選で共和党の副大統領候補だったサラ・ペイリン(Sarah Palin)元アラスカ州知事(58)が1日、ドン・ヤング(Don Young)下院議員(共和党)の死去に伴う下院補選アラスカ州選挙区で出馬する意向を表明した。分断が深まる米政界への復帰を目指す。

 49年にわたり下院議員を務めたヤング氏は先月、急逝した。

 極右のペイリン氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の熱烈な支持者として知られ、2020年大統領選で不正があったという根拠のない主張をしている。

 ペイリン氏はフェイスブック(Facebook)で発表した出馬表明で「米国は転換点にある」とし、「極左がこの国を破壊するのを見てきて、進み出て戦いに加わらなければならないことが分かった」と述べた。

 さらに、米国はジョー・バイデン(Joe Biden)政権下で危機にあると訴え、不法移民の急増、「制御不能なインフレ」、ガソリン価格の高騰、民主党による「社会主義的」政策などを批判した。

 11月8日の中間選挙で下院の全435議席が改選される。アラスカ州の議席は、人口が少ないため1議席しかない。

 ペイリン氏は2008年大統領選で、共和党の大統領候補だった故ジョン・マケイン(John McCain)氏の副大統領候補に指名されたが、民主党の大統領候補だったバラク・オバマ(Barack Obama)氏と副大統領候補だったバイデン氏に敗れた。

 ペイリン氏は2006~2009年、アラスカ州知事を務めた。辞任後は、保守系の市民運動「ティーパーティー(Tea Party)」の中心的存在となった。共和党の支持基盤を奮い立たせることができる反体制の毒舌家で、トランプ氏の先駆者とみられている。(c)AFP