【3月30日 AFP】米中西部ネブラスカ州議会のブルース・ボステルマン(Bruce Bostelman)議員(共和党)が28日、学校が猫を自認する子どものためにペット用トイレを設置しているという誤った主張をした。

 会議の動画はソーシャルメディアに投稿され、数時間で50万回以上再生された。

 ボステルマン氏は、学校がトイレにペット用のものを設置して子どもが犬や猫の格好をする傾向を容認していると聞いて「少し驚いた」と述べた。

 続けて「これはファーリーと呼ばれるものだ。子どもたちが学校でも犬や猫などの動物の格好でいることだ」と説明した。「ファーリーの子どもは、鳴いたりほえたりして級友や教師とやり取りしている。今度は学校がこうした子どものためにペット用トイレの設置を希望している。衛生的にどうなのだろうか?」

 ボステルマン氏は、州の保健当局にこの問題を報告し、学校にペット用トイレの設置を拒まれて床に排便した生徒のエピソードについても語るつもりだったという。

 米英語辞典メリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)によると、「ファーリー」とは、漫画やアニメ、テレビゲームに登場するような擬人化された動物のキャラクターに強い関心を持つ人や、そうしたキャラクターの格好をする人を指す。

 性的な面を含むこともあり、子どものファーリーは少ない。

 ボステルマン氏の発言は嘲笑の的となっただけでなく、ファーリー・コミュニティーやその理解者から、ファーリーも他の人と同じようにトイレに行くとの反発を受けた。

 あるツイッター(Twitter)ユーザーは「そもそもファーリーはそんなことをしない。ペット用トイレだって? いいか、ファーリーは人間だし、自分が人間だと分かっている」と怒りの声を上げた。

 同州議会のミーガン・ハント(Megan Hunt)議員(民主党)は、複数の学校に確認し、ボステルマン氏の主張は不正確だという裏付けが取れたとツイッターに投稿した。

 ハント氏は「ボステルマン氏は、ファーリーに謝罪している」と述べた。

 米国では学校におけるトランスジェンダーのトイレ使用やスポーツ参加をめぐって激しい議論が起きている。中西部ではここ数か月、学校に関するさまざまなうわさが流れているが、いずれもデマだと判明している。(c)AFP