【4月1日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は3月31日、ネットで拡散されたウクライナ兵が捕虜となったロシア兵の足を銃撃したとされる動画について、戦争犯罪の疑いがあるとしてウクライナ当局に調査を行うよう求めた。

 27日から出回り始めた動画には、後ろ手に縛られた男性3人が、武装した別の男たちに地面に投げ飛ばされる様子が映っている。その後、男たちは3人の足を撃った。

 動画の真偽に関して第三者の確認は得られていない。しかしAFPは、撮影場所が、東部ハリコフ(Kharkiv)近くにあり、ウクライナ軍が奪還したばかりのマラロハニ(Mala Rogan)であることを特定した。

 AFPの取材チームは先月28日にマラロハニ入りし、村の大部分が戦闘で破壊され、通りにロシア兵2人の遺体が横たわっているのを目撃した。

 井戸の中には、コンクリート片の下に別の2人の遺体があるのも見えた。

 HRWは声明の中で、「事実だと確認されれば、捕まった戦闘員に対する殴打と足への銃撃は戦争犯罪になる」と指摘。「ウクライナは、国際人道法の深刻な違反を防止し、罰する意思があることを示す必要がある」と訴えた。

 オレクシー・アレストビッチ(Oleksiy Arestovich)大統領補佐官はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、捕虜の虐待は戦争犯罪であり、関与した者は処罰されるべきであると投稿した。

 ロシアの捜査当局トップもすでに、事件について調査するよう命じている。

 ウクライナ侵攻では、ロシア側も戦争犯罪を行ったと非難されている。(c)AFP