【4月1日 AFP】10日に1回目投票を控えるフランス大統領選で、政府のコンサルタント会社への巨額の支払いに対して、現職のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が批判を浴びている。

 上院調査委は先月、2018~21年に米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)などへの政府支出が倍増し、昨年には過去最高の10億ユーロ(約1350億円)に達したとの報告書をまとめた。

 極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首ら対立候補は、投資銀行出身で「富裕層の大統領」とやゆされてきたマクロン氏に対する格好の攻撃材料と判断している。選挙戦では依然、マクロン氏が再選に向けて優勢を保っているものの、予想よりも接戦になりそうだとの世論調査結果も伝えられている。

 マクロン氏とルペン氏が24日に決選投票に臨む場合、どちらに投票するかとの調査では、ルペン氏が1週間で3ポイント上昇して47%となり、53%のマクロン氏を追い上げている。

 マクロン氏は先週末、「何か不透明なものがあるとの印象があるようだが、それは正しくない」と反論。政府調達に関する政策は厳格に順守されており、新型コロナウイルスの感染拡大で省庁や公務員の職務遂行能力が逼迫(ひっぱく)し、外部からの支援が必要だったと弁明した。

 国民連合は「国家的なスキャンダルだ」と非難した。極端に高額なコンサルタント料を請求するマッキンゼーに特に注目が集まっている。

 アメリー・ドモンシャラン(Amelie de Montchalin)公共変革・公務員相は「隠すことは何もない」と明言し、「(上院調査委の)報告書がここ数日にわたってゆがめられていることを容認できない」と指摘しながらも、「外部のコンサルタント会社の使用を少なくとも15%削減する」と述べた。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT