【4月1日 AFP】自転車トラックレースのトランスジェンダー選手、エミリー・ブリッジズ(Emily Bridges、英国)は、今週末に行われる英国選手権で女子オムニアムに出場する資格がないと言い渡された。

 21歳のブリッジズは、2日に英ダービー(Derby)で行われる大会で、五輪で通算5個の金メダルに輝くローラ・ケニー(Laura Kenny)らと競う予定だった。

 当初は英国自転車連盟(British Cycling)が定めるトラスジェンダーおよびノンバイナリー選手の参加規定の下で、大会へのエントリーが認められていた。ところが連盟側の説明によると、競技を統括する国際自転車競技連合(UCI)がブリッジズには参加資格がないと通達してきたという。

 英紙ガーディアン(Guardian)は、ブリッジズが男子選手としてのUCIの登録期限が切れなければ、女子選手として再登録しての出場はできないと告げられたと報じている。

 2月に英グラスゴーで開かれた英大学・カレッジ選手権の男子オムニアムで優勝したブリッジズは、昨年ホルモン治療を開始。今年1月に改訂された連盟の規定では、競技の12か月前からテストステロン値の低下を実証することが義務付けられている。

 最初にブリッジズの大会参加が決まった際には大きな議論を呼び、他の女子選手は同選手の出場が認められるなら大会をボイコットすると警告。また、思春期が男性の体に影響を及ぼすことから、テストステロン値が低くなっていたとしてもトランスジェンダー選手には不公平なアドバンテージがあると批判する声も上がっていた。(c)AFP