【4月2日 CNS】北京冬季五輪を開催した中国では、ウインタースポーツの人気が高まり、スキーやスノーボード産業が盛況となっている。

「例年は、春節(旧正月、Lunar New Year)が過ぎて気候が暖かくなるとスキー商品の売り上げは半減するが、今年は違う」。スキー用品「GOSIK OG」の徐尼克(Xu Nike)社長は笑顔で語る。

「ウインタースポーツ発展計画(2016~2025)」によると、2025年までに中国のウインタースポーツ産業は1兆元(約19兆円)規模に達すると予想され、業界では今後10年間は「黄金期」を迎えるとみている。

 大都市のショッピングセンターには、スキー用品店が増加。店内には有名海外ブランドの商品が並び、愛好家は3000~4000元(約5万8000~7万7000円)のウエアを購入している。

 一方で、国産ブランドも流行の「国風潮流(中国文化風デザイン)」を取り入れた商品を手がけている。スキー用品店「雪上飛」では、国産のスキー板を約1000元(約1万9000円)で販売。店長の大龍(Dalong)さんは「輸入品だと板、ビンディング、シューズのセットは最低5000元(約9万6000円)かかるが、国産ブランドは2000元(約3万8000円)でそろえられる。初心者の大半が国産品を選んでいます」と語る。

 ECサイト「什麼値得買」によると、1月1日から2月20日にかけて、スキー用品の売上高は前年同期比で173%増加した。

 国産ブランドはスノーボードから飛躍した。「零夏」ブランドを選ぶ客の平均購入単価は約1600元(約3万1000円)で、主力製品「小黒板」はオンラインショッピングモール「天猫(Tmall)」でスノーボードカテゴリーのトップに躍り出た。

 ハイエンド価格帯の「Nobaday」は、平均購入単価が約4000元に上る。北京五輪のスノーボード男子スロープスタイルで金メダルを獲得したカナダのマックス・パロット(Max Parrot)選手が使用していたブランドだ。

 一方、あるスキー用具店の経営者は「スキーをする人の大半はレンタル品を使用し、購入するのはまだ一部の愛好家だけ」と話す。

 北京市スキー協会の李暁鳴(Li Xiaoming)会長は「冬季五輪が終わった後もウインタースポーツ産業が成長するには、業界の製品基準や規範を確立する必要がある」と指摘している。(c)CNS-北京日報/JCM/AFPBB News