【4月1日 CNS】冬季五輪・パラリンピックの終幕を円満に迎えられた北京。この都市を悩ませていた大気汚染問題だが、今回のスポーツの祭典で「北京ブルー」のイメージで「名を売ることができた」。

 モニタリングデータによると、2月4日から17日にかけて、北京のPM2.5の平均濃度は1立方メートル当たり24マイクログラムで、京津冀(北京市・天津市<Tianjin>・河北市<Hebei>)の3地域は前年同期比で40%以上、周辺地域では30%以上、低下したという。

「『北京ブルー』は冬季五輪の美しい背景になり、国内外の社会からともに好評を博した」。中国生態環境部大気環境局の張大偉(Zhang Dawei)副局長は、北京冬季五輪が「北京ブルー」を実現できたのは、主に「人の努力」と「天気のおかげ」によるものだと説明した。

 いわゆる「人の努力」とは、主に中国で実行し続けている大気汚染対策のことを指す。2013年以来、中国は京津冀および周辺地域を国家大気汚染防止の重点区域とし、秋・冬に大気汚染総合対策を実行し続け、同地域の産業、エネルギー、輸送の構造調整を加速させてきた。

「2021年までに、京津冀地域のPM2.5の平均濃度は2013年に比べて63%低下し、北京市のPM2.5の濃度は1立方メートル当たり89.5マイクログラムから33マイクログラムになった」と、張氏は述べた。

 2013年、同市は中国国家環境質基準『環境大気質基準』を実行し、大気中のPM2.5とオゾンのモニタリングを開始した。

「2021年、北京の大気質は初めて全面的に目標基準に達した。PM2.5とオゾンの指標が同時に目標基準に達することは初めてだった。過去8年間の平均下落幅は、先進国都市の同期間の下落幅をはるかに上回り、その急速な改善スピードは国際社会からも評価された」と、北京市生態環境モニタリングセンターの劉保献(Liu Baoxian)主任は述べた。

 一連の政策と基準が発表されたほか、科学による汚染対策と正確な汚染対策を指向とした技術革新により、北京の大気汚染対策の難点が技術的な観点から解決された。

 北京市は、中国で率先して都市の大気質予測・予報システムを確立した。それに基づき、2013年から3サイクルのPM2.5の発生源解析を行っている。PM2.5の発生源の組成と地域の広がりの影響を定量的に分析、大気汚染対策の主要対象と優先順位を特定し、中長期的にきめ細かな汚染対策を実行するための技術的サポートを提供している。

「天気のおかげ」による要因も重要だ。張氏によると、冬季五輪の開催期間中、北京市の寒気の活動は比較的活発で、過去の同時期に比べ、気圧と風速が大きく、平均温度と相対湿度が低かった。特に閉会式の前後、北京、張家口(Zhangjiakou)などの都市は北寄りの寒気の影響を受け続け、大気の拡散条件が比較的そろっており、汚染物質の濃度の低下に有利だったという。

 五輪期間中の良好な大気質は、北京の長年にわたる大気汚染対策の効果を十分に示している。しかし、張氏は「京津冀地域の大気汚染物質の排出総量は依然として高めで、不利な気象条件のもとで、環境容量が低下し、大気質はさらに変動する可能性がある。そのため、北京の大気汚染対策の実行は根気強く続けなければならない」と指摘した。(c)CNS/JCM/AFPBB News