【3月31日 AFP】ロシアの世界的ソプラノ歌手アンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)さん(50)は30日、同国のウクライナ侵攻を非難し、5月から公演を再開すると発表した。ネトレプコさんはロシア政府と近い関係にあるとの批判を受け、予定していた公演を中止していた。

 ロシア人芸術家の多くは、侵攻を公に非難するか、仕事を失うかの選択を迫られている。ネトレプコさんはフェイスブック(Facebook)への投稿で、自身の立場を明確にしたいとし、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領への不支持を表明した。

 ネトレプコさんは「ウクライナに対する戦争を明確に非難し、この戦争の犠牲者とその家族に想いを寄せている」と言明。自身は政党には所属しておらず、ロシアの指導者とのつながりもないとし、「過去の自分の行動や発言に誤解される部分があったことを認識し、後悔している」と記した。

 プーチン氏との関係については、五輪開会式などで数回しか会ったことがないと説明。ロシア政府から財政的支援を受けたことはなく、現在はオーストリアに居住し、納税も同国にしているとした。

 さらに、祖国ロシアへの愛も表明。「目指しているのは、芸術で平和と結束を育むことだけ」と記した。(c)AFP