【3月26日 AFP】サッカーイングランド代表のギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督は25日、人権問題を懸念してW杯カタール大会(2022 World Cup)をボイコットすることは何の利益にもならないと主張した。

 イングランド代表は11月にカタールで開幕するW杯への出場が決まっているものの、その開催国に対しては批判が集まっており、大会はすでに政治的に難しい問題が潜む状況に置かれている。

 W杯に向けたインフラ整備の建設現場で働く移民のための法律や待遇をめぐり、カタールは疑惑の目が注がれており、すでにドイツをはじめオランダやノルウェーの選手は、カタールの人権問題に関して強いメッセージを発信していて、イングランドに対しても同様の動きを促す圧力が増している。

 イングランドの主将を務めるハリー・ケイン(Harry Kane)は先日、カタールでプレーする機会を利用して同国の状況に「関心を集める」ことを望んでいると話した。

 一方、サウスゲイト監督はカタールについてチームと話し合っているものの、効果は乏しいとして大会に抗議することからは一貫して距離を置く姿勢を示している。

 この日は報道陣に対し、「それ(ボイコット)が何を成し遂げるか疑問だ。大きな話題にはなるだろうが、大会は開催されるだろう」とコメント。「実際のところ、残念ながら宗教でも文化でもない最大の問題は、スタジアム建設で起きていることだ。悲しいかな、私たちにできることは何もない」と続けた。(c)AFP