【11月27日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の年次総会が25日に行われ、カタール航空(Qatar Airways)とのスポンサー契約をめぐって話し合いが紛糾するなど、会議は5時間にもおよんだ。

 リーグ首位に立つバイエルンは、年間2000万ユーロ(約26億円)にも上るカタールの国営航空会社との5年契約をめぐり、これに猛反発しているクラブのサポーターグループとの緊張関係が高まっている。

 契約は2023年に満了を迎えることになっているが、ヘルベルト・ハイナー(Herbert Hainer)会長とオリバー・カーン(Oliver Kahn)最高経営責任者(CEO)に対し、一部のクラブ会員は契約を延長しないよう圧力をかけている。

 こうした反発は人権団体にも波及しており、特に来年11月に開幕するW杯カタール大会(2022 World Cup)に向けたスタジアムの建設現場では、外国人労働者が不当に扱われていると指摘されている。同国の関係者は、この疑惑を否定している。

 総会では、クラブ側がカタールとのスポンサー契約に関する投票の動きを阻止した後、約800人もの会員グループが怒りをあらわにして「ハイナーは出て行け!」と叫んだほか、「われわれは、そちらが望まないファンだ!」などの怒号も飛び交っていた。

 これに先立ち、ミュンヘン(Munich)の裁判所は、バイエルンには「カタール航空との契約に関して、これ以上話し合う権限はない」との裁定を下しており、総会ではクラブトップからそのことについて言及されていた。

 クラブの会員からも公の反発に直面したバイエルン上層部は、スポンサー契約を更新しないことよりもこの状況を改善する良い方法があると主張。ハイナー会長は、「私はこれまで通り、人々の団結をもたらすには対話が最善の方法だと確信している」と述べた。(c)AFP