破産のベッカー氏、借金返済のためトロフィーを競売で売却
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【3月25日 AFP】男子テニスで通算6度の四大大会(グランドスラム)制覇を果たしたボリス・ベッカー(Boris Becker)氏(54)のトロフィーが、競売で70万ポンド(約1億1200万円)を売り上げて同氏の借金返済に充てられていたことが、24日に裁判で明らかになった。
ベッカー氏は2017年に破産宣告を受けた後、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で獲得した3個のうち2個を含む計九つのトロフィーや五輪のメダルを引き渡さなかった罪に問われている。
英ロンドンの裁判所で行われている審理では、ベッカー氏が同国プライベートバンクのアーバスノット・レイサム (Arbuthnot Latham & Co)から「不当な扱い」を受けたと感じたとの主張がなされた。スペイン・マヨルカ(Mallorca)島に同氏が所持していた不動産ローンの300万ポンド(約4億8000万円)以上の借金をめぐり、同銀行は破産手続きを開始していたが、金額の一部には25パーセントの年金利が含まれていたとされている。
ベッカー氏の資産取り戻し作業を任されていた、破産管財人の一人であるマーク・フォード(Mark Ford)氏は、同氏との「緊張」関係も証言。トロフィーの話になると制御不能になるなど「感情的」になっていたという。
一方、ベッカー氏の弁護人を務めるジョナサン・レイドロー(Jonathan Laidlaw)氏は、同氏が手元に置いておくことを認められたのは、勝利後にコートで手渡されたトロフィーのミニチュアだったと説明。また、「70万ポンド程度が現金化されたオークションがあった」と証言し、これらの記念品が借金返済のために売却されたことが明らかになった。
現役時代の16年間においてシングルスで計49個のタイトルを獲得したベッカー氏は、1991年と1996年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)で獲得したトロフィーも含めた記念品の引き渡しを怠っただけでなく、母国ドイツで所有していた車販売代理店の売却で得た113万ユーロ(約1億5000万円)など7件の所得隠しを含め、破産法の下で24件の罪に問われている。(c)AFP