【3月22日 AFP】2017年の破産をめぐり、24件の罪に問われている元男子テニスのボリス・ベッカー(Boris Becker)氏(54)の裁判が21日、英ロンドンのサザーク刑事法院(Southwark Crown Court)で始まった。検察側は破産の前後にベッカー氏が財産を隠したり、引き渡さなかったりするなどの「不正をした」と主張した。

 四大大会(グランドスラム)で6度の優勝を誇るベッカー氏は、負債の返済に当たり、現役時代に獲得したトロフィー9個やメダルを引き渡さなかったほか、母国ドイツで所有していた車販売代理店の売却で得た113万ユーロ(約1億5000万円)の所得隠し、さらには他の銀行口座への資金移動を行ったとされている。

 また、ドイツで所有していた二つの土地やロンドン市内のアパートに加え、82万5000ユーロ(約1億900万円)の銀行ローンの申告をしなかった疑いがある。

 裁判は最長で3週間に及ぶとみられる。

 ベッカー氏は1985年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を男子史上最年少の17歳で制すと、翌年には大会連覇を達成。1989年には3度目のウィンブルドン制覇を果たしたほか、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)で2回、全米オープン(US Open Tennis Championships)で1回優勝を経験した。

 16年に及ぶプロ生活では通算49個のシングルスタイトルを獲得。引退後は解説者に転身したが、2013年にはノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)のコーチとして現場に復帰。2016年に関係を解消するまで、6度のグランドスラム優勝に貢献した。(c)AFP