ロシアで入手・利用困難になった五つのもの
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【3月24日 AFP】ロシアがウクライナ侵攻を始めて1か月。ロシア市民は、西側諸国による経済制裁や政府の締め付けの影響を感じ始めている。国内で簡単には入手や利用ができなくなった五つのものをまとめた。
■砂糖
品不足と価格高騰への懸念から基礎食品の奪い合いが起きている。スーパーマーケットで砂糖を取り合う動画も拡散された。
砂糖の価格は天文学的な水準に上昇。小売店は一人当たりの購入量に上限を設けている。
1990年代初めの食糧難の時代を覚えている人は、ジャムなど保存食を作るための砂糖やそばの実を本能的に買いだめしている。
政府は既に砂糖と穀物の輸出を一時的に制限。基礎食品が底を突くことはないと、国民を安心させようとしている。
政府に言わせれば、消費者の買いだめは「感情的な」反応だ。
■プリンター用紙
プリンター用紙も価格が高騰、店頭からも消え始めている。地元メディアによると、小売価格は従来の2、3倍になり、ウェブサイト上ではさらに高値で転売されている。
製紙用漂白剤の塩素酸ナトリウムの大部分を輸入に依存しているため、一部工場が操業を停止したことが原因だ。
■海外旅行
ロシアの中間層は欧州など国外への旅行に頻繁に出掛けていた。しかし、西側諸国の厳しい制裁により、それはもはやかなわない。西側諸国は自国領空内でのロシア機の飛行禁止措置を導入。ロシアは航空機部品を入手したり、機材に保険を掛けたりといったこともできなくなっている。
ロシアからの国際便は現在、ほとんど飛んでいない。国内線の機材の大部分はスホイ・スーパージェット(Sukhoi Superjet)などロシア製に切り替えられる可能性がある。
■外貨とクレジットカード
米国のビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)のクレジットカードを国外で使い、ロシア国内の銀行口座から代金を引き落とすのは不可能になった。ウクライナ侵攻を受けて国外に逃れたロシア人も、国内口座は利用できないことになる。
ロシア国内でも、米アップル(Apple)の決済サービス「アップルペイ(Apple Pay)」のサービスが停止された。
銀行口座からの外貨引き出しや通貨ルーブルでの外貨購入、外貨の国外持ち出しも厳しく制限されている。
■ソーシャルメディア
新たにデジタル版「鉄のカーテン」が下ろされた。
フェイスブック(Facebook)を運営するメタ(Meta)が、欧州連合(EU)域内でロシア政府系メディアRTへのアクセスをブロックしたことを受け、ロシア政府はフェイスブックをブロックした。
ツイッター(Twitter)も同様の理由でロシアでの利用が停止された。
インフルエンサーや中小企業の間で人気が高い、メタ傘下のインスタグラム(Instagram)も停止されている。
ロシアはメタを過激派組織と認定した。(c)AFP