【3月18日 AFP】サッカーのエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(当時28)の死因審問が17日に行われ、同選手は欠陥がある機体の排気装置から人体に影響のある量の一酸化炭素を吸入した状態で、小型機の墜落事故により死亡したと結論づけた。

 2019年に発生したこの事故では、サラ選手をフランスのナント(Nantes)から英国のカーディフに運んでいた単発エンジン搭載の小型機パイパーマリブ(Piper Malibu)が海に墜落。同選手とパイロットのデビッド・イボットソン(David Ibbotson)さん(同59)が命を落とした。

 フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)でプレーしていたサラ選手は、当時イングランド・プレミアリーグに所属していたカーディフ・シティ(Cardiff City)とクラブ最高額となる1500万ポンド(約23億4000万円)の移籍金で契約を結んだばかりだった。

 突然死や説明のつかない死の原因や状況を、優越的蓋然(がいぜん)性に基づいて確定しようとする死因審問がイングランドとウェールズで別々に開かれた。5週間にわたる審問を終え、英イングランド南西部ドーセット(Dorset)での死因審問の陪審は、サラ選手の死因は頭部と胸部の損傷だと結論づけた。

 陪審は「航空機の激しい衝突による頭部と胴体の損傷が致命傷となり、エミリアーノは即死した。エミリアーノは事故当時、一酸化炭素中毒によって完全に意識不明の状態に陥っていた可能性が高い」と述べた。

 フライトを手配したデビッド・ヘンダーソン(David Henderson)被告(67)は昨年11月の刑事裁判で、資格がないと分かっているパイロットを雇ったり、有効な許可なしで乗客を運んだりした罪で禁錮1年6月の判決を言い渡された。(c)AFP