【3月14日 AFP】英航空事故調査局(AAIB)は13日、サッカーのエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手が死亡した小型機墜落事故の原因について、無許可のパイロットが悪天候を回避しようとして制御を失い、過度のスピードで飛行していたためと公表した。

 AAIBは2019年1月21日に起きた事故に関する最終報告書で、単発エンジン搭載のパイパーマリブ(Piper Malibu)が飛行中に故障し、ガーンジー島(Island of Guernsey)北部の海に逆さまに墜落したと明らかにした。

 パイロットのデビッド・イボットソン(David Ibbotson)さん(当時59)は事故当日の夜、この小型機を操縦するためのライセンスを保持しておらず、商用飛行に必要な免許なしに操縦していたこと、さらには違法となる不明瞭な額の報酬を受け取っていたことも報告された。

 調査では、パイロットが一酸化炭素中毒になっていたとみられることが判明した。中間報告書では、サラ選手も一酸化炭素中毒に侵され、機体が海に墜落する前には意識不明であった可能性が指摘されていた。

 AAIBの上席調査官によると、パイロットが悪天候を回避しようとして、最後の瞬間には機体が不規則に飛行していたという。また、この小型機は時速270マイル(時速約435キロ)で飛行しており、墜落時の衝撃では「生存不可能」だったことも明かされた。(c)AFP/David HARDING