【3月20日 東方新報】日本の人気中華料理チェーン店「大阪王将」は最近、中国・上海で2店舗を開業させ、焼きギョーザ、串揚げ、マーボー豆腐、ホイコーローなどの美食を看板メニューとしている。店舗運営側は、年内に上海を中心に5店舗の新設を目指していると語った。

 大阪王将は日本式中華料理の代表で、日本では漢字通りに「中華料理」と呼ばれ、日本の人々に愛されている。しかし、厳密な意味での中国の料理ではなく、改良された中華料理だ。

 デフレーション、消費低迷の下で、日本の飲食業は長年にわたって事業が低迷していた。高齢化、少子化による人手不足、労働コストの上昇は、飲食業の利益をさらに低下させた。コロナ禍の影響で、飲食業は水火の中に入るように苦境に陥っており、昨年に閉店したレストランは5000軒を超え、リーマンショックの時期を上回った。

 各種飲食業は「海外進出による自力救済」を模索しており、これも大阪王将が中国市場を切り開く重要な原動力になるだろう。もし、日本料理が中国での市場競争で「日本式」に頼るとすれば、大阪王将に代表される日本式中華料理はどのように勝利を得るのか。

 結局、ある日本料理は本場の中華料理と「同名」だが、味は中国人の舌の記憶と大きく違う。

 ギョーザといえば、中国人は見た目や色の異なり、餡(あん)の種類の多い水ギョーザを思い浮かべるが、日本では豚肉の餡焼きギョーザを指すことが多い。ラーメンといえば、中国人はスープの濃淡の異なる手で細長く引き伸ばした牛骨ラーメンを思い浮かべるが、日本ではだしの異なる包丁で切ったラーメンを指すことが多い。マーボー豆腐といえば、中国人が思い浮かべるのは麻辣(マーラー)で塩辛いが、日本のは麻辣の味を薄め、ほかに甘味を加えている。

 しかし、これは「大阪王将たち」が中国ではやっていけないということではない。上海にはある日本人が開いた中華料理店は、10年以上も経営に成功した上、「上海最高の中華料理店」という肩書を何度も獲得した。

 この店の成功の秘訣(ひけつ)は、一つ目はなるべく中国人の味蕾(みらい)と習慣にあうように、料理の再改良を重視すること。二つ目は店の競争力を高めるため「新メニューの開発」を重視することだ。

 本場の中華料理に比べ、日本の美食の多くは「鮮」に勝っているが、料理が単一で、選択肢が少ない。数年来、この店は広東(Guangdong)料理、山東(Shandong)料理などの要素を取り入れ、多くの新メニューを打ち出し、名声で客を集めた。

 中国は近年、多くの本土ブランドが台頭し、競争の激しい中華料理界はさらに過酷なものとなった。来たばかりの「大阪王将たち」は、中国でより高みを目指すためには、より多くの「コツ」を出さなければならない。

 一方、価格はより現地にあったものとしなければならない。中国の日本料理店の価格は近年、やや下がってきたが、多くの中華料理店に比べて依然として価格面での競争力が足りず、一部の中国の消費者には敷居が高い。

 インターネット技術、キッチンロボットのグレードアップに伴い、飲食業界におけるさらなるコスト削減が可能になった。加えて、中国の主流消費者を引きつけなければならない。調査によると、90後(1990年代生まれの人)、95後(1995~1999年生まれの人)は中国の飲食消費者の50%以上を占めているという。

 これらの若者は、見た目、体験感想、儀式感を重視しており、日本式中華料理もファッションスタイルをつくり、サービス理念を革新するなどの方法によって彼らのニーズに応えることができれば、多くの客を集めることができるだろう。(c)東方新報/AFPBB News