上海で清代の沈没船引き揚げ作業始まる 木造商船に多くの文化財
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【3月18日 東方新報】清王朝時代に沈没した木造商船「長江口2号」の引き揚げ作業が、中国・上海で今月2日から始まった。中国でこれまで発見された沈没船の中で最大規模。保存状態も良く、数多くの文化財が積まれている。引き揚げ作業は年内に終了する予定で、当時の造船や貿易の歴史が浮かび上がるとロマンをかきたてている。
長江口2号は、上海市の崇明島北東の水域で、水深8~10メートルに位置し、深さ5.5メートルの沖積土砂に埋まっている。船体は全長38.5メートル、中央の最も広い幅は7.8メートル。31の船室があり、一部を調べたところ、景徳鎮の磁器や無釉陶器の紫砂器、ベトナム産水たばこ缶などが見つかっている。磁器の底に清朝の同治年間と記されたものがあり、時代が特定された。
上海市文化財局は2011年から水中の文化財調査を行い、2015年に中華民国時代の鉄製軍艦を発見。長江(揚子江、Yangtze River)の河口にちなみ「長江口1号」と命名した。
その後、軍艦が沈んだ近くに木造商船を発見し、長江口2号と名付けられた。海底の土砂と濁った水により現場の視界はゼロに近い状態で、6年かけて水中調査と引き揚げ計画を進めてきた。
長江口2号は、ジャンク船とも呼ばれる平底の「沙船」の形をしている。水深の浅い長江の下流や海で輸送、漁労に用いられるタイプだが、ダイバーが長江口2号の折れたマストの一部を切り取ったところ、東南アジアの高級木材が使われていることが分かった。
上海市文化財保護センターの翟楊(Zhai Yang)副主任は「東南アジアで建造されたのか、輸入木材を使って中国で建造されたのか。商船の目的地はどこだったのかを含めて興味深い」と話す。
中国では、1987年に南部の広東省(Guangdong)の海域で、宋王朝時代の沈没船「南海1号」が発見された。全長24メートルで18万点の文化財が残されていたが、長江口2号は大きさで南海1号を上回る。
長江口2号は引き揚げられた後、サルベージ船で上海造船所跡地のドックに移され、当時の歴史を伝える「古代船博物館」に生まれ変わりながら、調査が続けられる。(c)東方新報/AFPBB News