【3月12日 AFP】ロシアは11日、フェイスブック(Facebook)などの大手SNSを運営する米メタ(Meta)がロシア軍に対する暴力を呼び掛ける投稿を容認したことを受け、同社傘下の人気SNSインスタグラム(Instagram)へのアクセスを制限し、同社に対する捜査を開始した。

 ロシアによる隣国ウクライナの侵攻は国際社会から非難を集めており、西側諸国の政府・企業は前例のない制裁措置を導入。インターネット上でも怒りの声が相次いだほか、今回の紛争をめぐるSNSの役割に関する議論も巻き起こった。

 メタは10日、SNS投稿に関する規定を一時的に緩和し、「ロシアの侵略者に死を」などの暴力表現を容認する方針を表明。この決定は直ちに物議を醸し、国連(UN)はロシア人に対するヘイトスピーチを扇動する恐れがあると警鐘を鳴らした。

 ロシアのメディア規制当局は11日、「暴力行為を扇動する」内容を含んでいるとして、インスタグラムへのアクセスを制限すると発表。同国の重大事件を扱う政府機関、連邦捜査委員会(Investigative Committee)も、メタの捜査を開始すると表明。検察は、同社を「過激派」と認定するよう要請した。

 ロシアは4日、フェイスブックの閲覧を禁止するとともに、ツイッター(Twitter)に対するアクセスを制限。さらに、軍に関する「偽情報」を報じたメディアに禁錮刑を科す新法も同日成立していた。(c)AFP/ Joshua MELVIN