【3月11日 AFP】オーストラリア政府は11日、蚊が媒介する日本脳炎ウイルスが東海岸で初めて確認されたことを受け、追加のワクチンを購入すると明らかにした。

 保健当局によると、日本脳炎ウイルスへの感染は豪州北部の熱帯地域に限られていたが、先月後半以降サウスオーストラリア(South Australia)州にも広がり、17人が感染し、2人の死亡が確認された。

 研究者は、集中豪雨によって豪州東部で蚊が大量発生したと指摘している。

 政府は現在、1万5000回分のワクチンを備蓄しているが、13万回分の追加購入を含め、対策費用として新たに6900万豪ドル(約59億円)を拠出する。

 日本脳炎は、蚊のみを媒介して広がるが、治療法は確立されていない。保健当局は、感染しても、脳炎などの重篤な症状を起こす確率は1%未満であるものの、首の硬直や激しい頭痛、昏睡(こんすい)状態を含む症状が出る場合があり、極めてまれに死に至ることもあるとして、注意を呼び掛けている。(c)AFP