■「兄弟を殺すようなもの」

 レオナルド・マルティネス(Leonardo Martinez)副村長は、1万キロ以上離れた場所で行われている、ロシア、ウクライナ間の戦いについて「支持を明確にしている村人を見たことがない」と話した。「われわれはこの戦争に反対だ。それははっきりしている」

 住人のレオナルド・ロルドゥギン(Leonardo Lorduguin)さん(22)は、フェイスブック(Facebook)に村のページを開設した。

 ロシア語を2年間勉強している。同世代でロシア語を話せる人は少ないという。ロシアのウクライナ侵攻については、中立的な立場だ。

 最初の移民がやって来たのは「大ロシア(現在のロシアよりも広い範囲を包含する復古的な呼び名)」からだと、多くの村人と同様、ロルドゥギンさんは考えている。

 アレハンドロ・サベリン(Alejandro Sabelin)さん(80)は、スペイン語のほかにロシア語を話せる、数少ない住人の一人だ。祖父がサンハビエルに到着した3か月後、サベリンさんの父親が生まれた。

 共同体の中でロシア語が消えつつあることは認識している。サベリンさんの子どもたちは、ロシア語を理解できるが、話すのは苦手だ。

 小さな自宅の壁には、祖父母の写真が飾られている。

 ウクライナ侵攻については「本当に申し訳なく思っている。兄弟を殺すようなものだ」と話す。

 祖父母の国に行ったことがなくても「ロシアへの支持は続ける」と言うサベリンさんだが、「この戦争はひどい。恐ろしいことが起きている」と嘆いた。(c)AFP/Jordane BERTRAND