■ソ連時代は何もなかった

 薬局で買い物をしていたインテリアデザイナーのピョートル・ロズニツァ(Pyotr Loznitsa)さん(47)は、ここ数日で多くのクライアントを失った。

 しかし、最も心配しているのは、自分の子どもたちの未来と、高齢の親が服用している輸入医薬品がこれからも買えるのかどうかということだ。

「来年中に状況が改善しないなら、どんな犠牲を払っても子どもたちを国外に行かせる」と話した。

 ただ、ロシア人には回復力があると信じており、その他のことはなんとかなると話す。「イラン人も(制裁に)適応した」

 学生のクセニア・フィリッポワ(Ksenia Filippova)さん(19)さんは「どこも閉店し始めているので、好きなブランドに最後の買い物に来た」と話した。手にはランジェリーショップの小さいピンクの袋を持っていた。

 プーチン大統領は、経済制裁は国内生産を強化する好機だと主張している。フィリッポワさんもそれを信じている。

 タマラ・ソトニコワ(Tamara Sotnikova)さん(70)は、かつては人気ブランドでにぎわっていたモスクワ中心部の繁華街クズネツキー・モスト(Kuznetsky Most)で、制裁など気にしないと話した。

「私たちが買う物は全て国産であるべきだ」と語った。「ソビエト時代には何もなかった! それでも普通の平和な生活を私たちは送っていた」 (c)AFP