【3月2日 AFP】ITのアップル(Apple)、石油のエクソンモービル(ExxonMobil)、航空機製造のボーイング(Boeing)など米大手企業は2日、ロシア事業からの撤退や停止を発表した。同国によるウクライナ侵攻を受けたもの。

 ウォルト・ディズニー(Walt Disney)、フォード・モーター(Ford)、マスターカード(Mastercard)なども相次いでロシア事業からの撤退・停止を表明しており、同国経済への打撃は避けられない見通しだ。

 エクソンは、ロシア・サハリン(Sakhalin)沖の大規模石油開発事業から段階的に撤退する。「ウクライナ領土の一体性を侵害し、国民を危機にさらしたロシアの軍事行動は遺憾だ」と説明した。

 同事業は1995年に操業を開始した。ロシア、インド、日本の企業もコンソーシアム(企業連合)に参加。エクソンは運営を担っていた。

 エクソンは、2014年のロシアによるウクライナのクリミア(Crimea)半島併合を受けて米政府が制裁を発動した際にも、ロシア国内の合弁事業2件から撤退。同社にとって、サハリン沖の事業が唯一の主要ロシア事業となっていた。

  エクソンの動きは、ロシア事業からの撤退を決めた英石油大手のBPとシェル(Shell)に追随するもの。仏トタルエナジーズ(TotalEnergies)はロシア事業を継続するが、新規投資は控えると表明している。

 アップルは1日、ロシアでの製品販売を全面停止し、決済サービス「アップルペイ(Apple Pay)」などのサービスの提供も制限すると発表した。「ロシアによるウクライナ侵攻を深く懸念している。われわれは暴力により苦しんでいる全ての人々の味方だ」としている。

 ボーイングは、ロシアの航空会社への支援業務とモスクワの施設での業務を一時停止する。「現地で働く同僚の安全確保に注力する」方針だ。

 クレジットカード大手のビザ(Visa)、マスターカード、アメリカン・エキスプレス(American Express)の各社も、ロシアの複数の銀行を決済網から排除すると表明した。(c)AFP