【3月5日 AFP】ウクライナへの侵攻を続けるロシアで4日、同国軍に関する「偽情報」を報じる行為に最高15年の禁錮刑や罰金を科す新法が成立した。英BBCはこれを受け、同国での取材活動停止を発表した。

 新法は、軍に関する偽情報をそれと知りながら流布した者を罰する内容で、偽情報の影響が深刻とみなされた場合、量刑は重くなる。同日、議会の承認とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の署名を経て成立した。

 首都モスクワに大規模な支局を構え、ロシア語ニュースサイトも運営しているBBCのティム・デイビー(Tim Davie)会長は、法案の議会通過後に出した声明で、「この新法は独立報道プロセスを犯罪化するものとみられる」と指摘。ロシア国内のすべての記者とその補佐に当たる従業員の活動を一時停止するほかに「選択肢はない」と述べた。

 昨年ノーベル賞を受賞した独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)」とビジネスニュースサイト「ザ・ベル(The Bell)」も4日、記者を守るためとして、ロシアによるウクライナ侵攻に関する報道の自粛を発表した。

 ロシアではここ1年、独立系メディアや政府に批判的な情報発信に対する前例のない締め付けが続いており、ウクライナ侵攻後は統制がさらに強まっている。4日には、通信規制当局がBBCや独立系メディアのウェブサイトへのアクセスを制限すると発表し、インターネット規制がさらに強化された。(c)AFP