【3月4日 AFP】ウクライナに侵攻したロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は3日、欧米諸国の政治家が核戦争に固執していると非難した。

 ロシア内外のメディアのオンライン取材に応じたラブロフ氏は「第3次世界大戦が核戦争にしかなり得ないことは明らかだ」とし、「核戦争という考えが常に駆け巡っているのは西側諸国の政治家の頭の中であり、ロシア人の頭の中ではないことを指摘したい」と言明。「このため、われわれは均衡を崩すようないかなる挑発行為も許さない」と述べた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は先月27日、西側諸国による対ロシア制裁を「非友好的な」措置だと非難し、ロシアの核抑止力部隊を厳戒態勢に移行するよう命じていた。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官は3日、スイス・ジュネーブの国連人権理事会(UN Human Rights Council)で開かれたウクライナでの人権侵害に関する緊急討議で、「核兵器の脅威レベルの高まりにより、全人類にとってのリスクの重大さが明確になっている」と指摘。

 また、ロシアの侵攻が「ウクライナ全土の数百万人の人権に甚大な影響を及ぼしている」と警告。ウクライナの犠牲者の大半は、人口密集地での重火器や多連装ロケットの使用、空爆によるもので、民間人を標的にクラスター弾が使用されたとの報告もあるとし、こうした攻撃の即時停止を訴えた。(c)AFP