【3月4日 AFP】国際原子力機関(IAEA)理事会は3日、ウクライナに侵攻したロシアに対し、チェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所事故の現場など、ウクライナ国内の原子力施設での「あらゆる行動の停止」を要請する決議を採択した。

 AFPが入手した決議の文面には、「原子力施設の強制的な占拠などの暴力行為を含め、ウクライナにおけるロシアの行動に遺憾を表明する」と記されている。外交筋によると、決議には理事会を構成する35か国のうち26か国が賛成し、反対はロシアと中国だけだった。インド、パキスタン、セネガル、南アフリカ、ベトナムは棄権したという。

 ウクライナには稼働中の原子炉がある原発が4か所あり、国内の電力の約半分を供給。チェルノブイリなどには、核廃棄物の貯蔵施設もある。

 IAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は2月28日、ロシア軍がウクライナ東部にある同国最大のザポロジエ(Zaporozhye)原発に接近しているという報告を受けたと述べていた。(c)AFP