【2月26日 AFP】ウクライナ当局は25日、ロシア軍が占拠したチェルノブイリ(Chernobyl)原発の立ち入り禁止区域で、放射線量が上昇したと明らかにした。ロシア軍による同原発の掌握は「恐ろしい結果」をもたらす恐れがあると警告している。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は24日、自国軍にウクライナ侵攻を命令。軍は同日、チェルノブイリ原発を占拠した。

 ウクライナ原子力規制監督庁(SNRIU)幹部はAFPに対し、チェルノブイリ立ち入り禁止区域で午前3時20分(日本時間同10時20分)に放射線量の上昇が確認されたと説明。ウクライナ議会も、同区域の自動監視装置のデータが通常以上の放射線量を示したと発表した。

 ただ国際原子力機関(IAEA)は、報告された放射線量は低く、危険な水準ではないと発表。ロシア国防省報道官は、同原発の放射能レベルは「通常通り」だと述べている。

 ウクライナ環境保護省は、「侵略者の恐ろしい手により、この大量のプルトニウム239が核爆弾となり、何千ヘクタールもの土地を生命が宿ることのない死の砂漠に変えるかもしれない」と警告。そうした惨事が起きた場合、人道・環境上の影響に国境はなく、「人々にとって恐ろしい影響をもたらす」と指摘した。(c)AFP