【3月2日 AFP】女子テニス、リヨン・オープン(Open 6ème Sens - Métropole de Lyon 2022)は1日、シングルス1回戦が行われ、前週に母国ウクライナを脱出したばかりのダイアナ・ヤストレムスカ(Dayana Yastremska)が2本のマッチポイントをしのぎ、アナ・ボグダン(Ana Bogdan、ルーマニア)を3-6、7-6(9-7)、7-6(9-7)で下した。

 ロシアがウクライナに侵攻する前に同大会シングルスのワイルドカード(主催者推薦)を与えられていた21歳のヤストレムスカは、4度目のマッチポイントで3時間超えの一戦を制すと、涙ながらにコートに倒れ込んだ。

 さらにはネット際でボグダンと温かい抱擁を交わし、ウクライナ国旗を羽織って観客の前で喜んだ。

 ツアー通算3勝を挙げているものの、2019年5月を最後にタイトルから遠ざかっているヤストレムスカは「これほどストレスを感じながらプレーしたことはこれまでの人生で一度もなかった」と振り返り、「本当にとても神経質になっていた」と続けた。

「1ポイントごとに考えて試合に集中し続けようとしたが、難しかった」

「きょう勝てたことを誇りに思う。モチベーションがとても高かった」

 元世界トップ25ながら現在は140位に沈んでいるヤストレムスカは2月28日、15歳の妹イバンナ(Ivanna Yastremska)とのペアでダブルス1回戦にも出場していた。

 試合後には、なんとかしてフランスにたどり着く前にはロシアによる軍事侵攻の「爆撃で目覚めた」と明かしていた。(c)AFP