【3月1日 CNS】北京冬季五輪では、フィギュアスケート男子の羽生結弦(Yuzuru Hanyu)選手が中国でも注目を集めた。4位にとどまり惜しくもメダルは逃したが、熱狂的なブームを巻き起こした。

【写真特集】戦い終えて…新華社が活写した羽生結弦

 中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」の熱捜(ホットサーチ)検索件数は、中国での人気が分かる指標だ。フィギュアスケート男子フリーが行われると「羽生結弦」は検索件数のトップに立った。「羽生結弦の4A(4回転アクセル)がいかに難しいか」「羽生結弦4位」「羽生結弦よく頑張った」「羽生結弦が感謝の思いで最後に氷に触れる」など、多くのトピックがランクイン。「羽生結弦転倒」は閲読数が4億回、「羽生結弦の4Aが国際スケート連盟に認められた」は10億回を超えた。微博でこれほどバズるのは中国の大物スターぐらいだ。

 中国のネットユーザーたちは「羽生選手は常に自分を乗り越えようとしている」「純粋なスポーツマンシップを体現している」と国境を越えて愛されている理由を語る。北京冬季五輪の開催前、応援する選手にメッセージを寄せる「愛のはがき」キャンペーンが行われたが、送られた数万枚のうち羽生選手1人に2万枚以上の愛のはがきが送られた。

 羽生選手の対戦相手も尊敬の念を送る。中国代表の金博洋(Jin Boyang)選手は「普通の選手なら3回目の冬季五輪に参加せずに引退するだろう。しかし彼は出場する道を選んだ上、27歳で4Aに挑戦した。そのスピリットには本当に学ぶ価値がある」と称賛した。

 2018年の平昌冬季五輪で、国営中国中央テレビ(CCTV)の解説者、陳瀅(Chen Ying)氏は羽生選手のパフォーマンスに魅了され、詩を作って彼を称賛したことが話題となった。北京冬季五輪でも陳氏は羽生選手を「ダイヤモンドをちりばめた宝剣のようだ。たとえ金箔(きんぱく)を貼った本棚に隠したとしても、まばゆい光を遮ることはできない」と表現してたたえた。

 ほかの中国メディアも、羽生選手がメダルに手が届かなかった結果にかかわらず、彼が「一流」であるとこぞって称賛した。(c)CNS/JCM/AFPBB News