【3月1日 AFP】国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2月28日、気候変動の影響に関する新たな報告書を公表し、誰もが「生存可能な未来」を確保するための時間がなくなりつつあると警鐘を鳴らした。

 報告書は、気温の上昇により、猛烈な熱波や大規模な暴風雨、種の絶滅、生態系の崩壊、虫害、水不足、作物収量の減少が悪化していると指摘。世界各国は二酸化炭素排出量を削減できずにおり、気候変動による大災害の中にはもはや回避不能なものもあるとの見解を示した。

 報告書によれば、気温が産業革命前との比較で2度上昇した場合、4億1000万人が深刻な干ばつによる水不足にさらされ、今世紀半ばには最多で8000万人が飢餓に陥る恐れがある。

 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、同報告書は各国指導部の「犯罪的」な怠慢を糾弾するものだと指摘。温室効果ガスの排出量が多い国々が「一つしかない私たちの故郷に火を放った」と批判した。(c)AFP/Marlowe HOOD, Kelly MACNAMARA