【2月24日 AFP】ヨルダン南東部の砂漠の奥深くにある世界最古とされる大型人造構造物の近くで、9000年前の新石器時代の祭祀(さいし)場が見つかった。

 祭祀場は、ガゼル猟師が使用していたもので、昨年10月にフランスとヨルダンの共同チーム「南東バディア考古学プロジェクト(SEBAP)」が発見。SEBAPは「壮大で前例のない発見」としている。

 遺跡からは、石像や祭壇、動物の小像、火打ち石、並べて置かれた海洋生物の化石約150点のほか、「砂漠の凧(たこ)」と呼ばれる大規模なわなのミニチュア模型が発掘された。「カイト・サイト」とも呼ばれるこのわなは、凧状に立てられた長い壁からなり、猟師はこれを使いガゼルを囲いや穴に追い込んでいた。祭祀場は、狩りの成功祈念に使われていたとみられている。

 SEBAPによると、祭祀場の近くにあるカイト・サイトは、これまで発見された中で世界最古の大型人造構造物だという。サウジアラビア、シリア、トルコ、カザフスタンの砂漠でも、複数の岩壁から成る同様の構造物が見つかっており、中には数キロの長さのものもある。(c)AFP