北京冬季五輪は競技場も「メダル級」 環境保護、省エネの「グリーン五輪」を実現
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【2月21日 東方新報】熱戦が繰り広げられてきた北京冬季五輪。環境保護や省エネを意識した「グリーン五輪」を目指した大会は、それぞれの競技施設も「メダル級」の工夫が凝らされている。
スノーボードとフリースタイルスキーが行われた北京市西部の首鋼スキージャンプ台(ビッグエア首鋼)。当初、ジャンプ台のすぐそばにある巨大な煙突状の建物がツイッター(Twitter)などで「原発みたい」と話題にもなった。
この会場は実は、鋼鉄大手「首都鋼鉄(首鋼)」の製鉄所跡地。煙突状の建物は閉鎖前に使われていた冷却塔だ。中国最大級の製鉄所はかつて中国の経済発展の象徴であり、大気汚染対策で閉鎖された後は観光地や芸術展の会場として生まれ変わった。
首鋼スキージャンプ台は北京エリアで唯一、新たに建設された雪上競技場だ。トラックは長さ164メートル、幅34メートル、高さ60メートル。1100の構造物を「積み木」方式で組み上げており、ジャンプ台の曲面を変更して48時間でスノーボードとフリースタイルスキーの仕様に切り替えられる。人工降雪機はスマート制御システムを搭載しており、天気状況に応じて水の使用量を判断。通常の降雪機に比べて20%の水を節約している。
ジャンプ台は北京冬季五輪の「持続可能な開発」の理念に基づき、大会後も撤去することなくスキーやグラススキーの常設会場として市民に開放する。首鋼製鉄所跡地は「火」から「雪」の施設へと姿を変え、新しい役割を担っていく。
高木美帆(Miho Takagi)選手ら日本勢が大活躍した国家スピードスケート競技場(国家速滑館)は、今大会で新設された唯一の氷上競技場。3360枚の曲面ガラスを組み合わせた帯状の照明22本が建物を囲む外見から、「アイスリボン」の愛称を持つ。軽量、薄型、柔軟構造の建材を使用して屋根の重さを従来の4分の1に抑え、建設段階の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減した。
0.01秒レベルの速さを競うスピードスケートは、氷表面のわずかな硬さの違いも影響を受ける。国家スピードスケート競技場はCO2を冷媒とした最新の冷却技術を採用。氷の表面温度差を0.5度以内に抑え、アスリートが同等の条件で「最速の氷」の上で競う環境を実現した。CO2を利用することでCO2排出量をほぼゼロに近づけ、電力も年間約200万キロワット時を節約する。
大会全体を見渡しても「グリーン五輪」は徹底された。大会で使う電力源は風力、水力、太陽光の再生可能エネルギーに限定。五輪会場の一つ、張家口市(Zhangjiakou)に設置された風力発電所は、シンガポール1か国分に相当する1400万キロワットの設備容量を誇る。大会中に使用している車両の85%は電気または水素を動力源としている。北京冬季五輪はあらゆる形でCO2の排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指し、新しい形の五輪モデルを提示した。(c)東方新報/AFPBB News