【2月20日 CGTN Japanese】2022年北京冬季オリンピックのマスコットキャラクターの「ビンドゥンドゥン(氷墩墩)」はすでに世界的な大スターになりました。一方で、その良き友の北京冬季パラリンピックのマスコットである「シュエロンロン(雪容融)」もネット上で注目されるようになっています。

「シュエロンロン」は赤灯篭をモチーフにしており、丸い顔に小さくつぶらな瞳、短い手足が特徴で、甘えん坊でウインク好きというキャラクターです。意外なことに、「シュエロンロン」をデザインした姜宇帆(Jiang Yufan)さん(23歳)は当時、吉林芸術学院の大学生でした。

 姜さんは大学3年生だった2018年に、東北地方で年越しの際に飾る赤灯篭にインスピレーションを得て、北京冬季オリンピック・パラリンピックのマスコットデザインの募集に応募しました。

 姜さんによりますと、故郷の黒竜江省(Heilongjiang)伊春市(Yichun)嘉蔭県(Jiayin)は国境に近い小さな街で、春節(旧正月)になると、赤灯篭が街の至るところに飾られ、めでたい雰囲気になります。そこで、この赤灯篭をモチーフにしたということです。

 姜さんは2019年1月、北京冬季オリンピック組織委員会から、自分のデザインしたマスコットが世界中からの6000点近くの応募作品の上位10位に入ったとの通知を受けました。姜さんはその後、教師や同級生と共に作品に修正を加えました。もっと生命力に満ちたマスコットにしようと、鹿の角や羽根、頭飾りなど、動物の要素を加えてみたのですが、納得のいく出来にはなりませんでした。

 チームが知恵を絞り合って、最終的に頭部を赤灯篭にして、万里の長城の模様や平和の象徴であるハト、世界遺産の天壇公園を加えることにしました。「このデザインはめでたさや平和を象徴しており、非常に中国らしく、北京という地方の特色を際立たせることができた」と、姜さんが修正の理由について紹介しました。可愛い「シュエロンロン」は、1万枚以上の手描き原稿を作成し、修正案制作の32回の繰り返しなどを経て、ようやく誕生しました。

 姜さんは、「シュエロンロン」のお腹が光っていることに注目してほしいと語ります。温かく照らす光によって友愛や勇気、粘り強さを象徴しているほか、パラリンピックの選手の懸命に努力する精神や、世界を励ますというパラリンピックの理念を象徴させたとのことです。

 北京冬季パラリンピックは間もなく始まります。姜さんは、「シュエロンロン」が選手一人一人の夢を明るく照らし、世界をさらに温かくしてほしいと願っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News