【2月17日 CNS】1968年グルノーブル冬季オリンピックから、マスコットは歴代大会の「定番」となった。雰囲気作りに欠かせない「見どころ」であると同時に、主催理念や主催者側の歴史文化を示す「代表」でもある。

 北京冬季オリンピックのマスコット「氷墩墩(Bing Dwen Dwen)」はパンダをモデルにしている。氷(ビン)は純粋さ、強さを象徴する大会の特徴だ。墩墩(ドゥンドゥン)は、温厚、健康、活発、かわいいという意味で、アスリートの強い身体、強い意志、奮い立つオリンピック精神を象徴している。

 テーマに合っていて、温厚で可愛く、「天然の佳作」と言える。しかし、氷墩墩が瞬く間に「名が売れた」ことには「驚き」を感じえず、デザイナーにとっても「予想外だった」という。

 氷墩墩は今回の北京大会の国内外の共通の話題となり、少なくとも3つのキーワードに由来している。

 1つ目は「中」だ。パンダは中国の国宝であり、海外が中国を認識する上で重要な「シンボル」となっている。言うまでもなく、氷墩墩の人気はまずその無邪気でかわいいパンダの形のおかげだ。これは中国を理解し、中国に近づき、中国と対話しようとする海外の感情の投影でもある。

 2つ目は「総」だ。氷墩墩は、内在的には「豊か」で、総合的に様々な寓意が込められている。「内から外へ」どこにも余計な設計がない。今回の北京大会を理解するために、国内外にホログラムのサンプルを提供している。

 氷墩墩の頭部の殻はウインタースポーツ用ヘルメットをイメージし、カラフルな光の輪を飾り、流れ動く明るい色の線はウィンタースポーツのコースと5Gハイテクを象徴している。

 左の手のひらにあるハート模様は、開催国が全世界の友人を温かく迎えていることを表している。

 パンダと超エネルギーに富んだ氷の殻を組み合わせ、ウィンタースポーツと現代のテクノロジーの特徴を体現している。

 全体像は宇宙飛行士に酷似しており、並外れた創造、未来への探索を意味し、卓越性への追求、時代への先導、未来に向けた無限の可能性を体現している。

 3つ目は「通」だ。記号としての「パンダ」も、各種の「寓意」も、デザインの「美学言語」に落とし込まなければならない。そうでなければ、まだ彫り込まれていない素材と、中身がない概念にすぎない。氷墩墩の国境超える人気はまさに美学の言語の東洋・西洋の融通によるものだ。

「氷墩墩」デザインチームの責任者で、広州美術学院(The Guangzhou Academy of Fine Arts)の曹雪(Cao Xue)教授はメディアの取材に応じた際、「氷墩墩」は氷の殻を着け、顔の周りにはアイスリボンを象徴する輪がついており、みんなとても美しいと思っているが、実は形式美の背後には基本法則がある。その中で重要な法則は「対比と統一」だと語った。

 この対比と統一は、氷の殻の硬さとパンダのぬいぐるみの柔らかさ、透明と不透明、黒と白、アイスリボンの五輪マークの色のカラーコントラストなどにも表れている。

 曹教授によると、デザインの究極のコアは哲学であり、東洋、西洋を問わず、哲学は共通しており、すべてを突き抜けることができる。これは悟りの言葉であり、ビン・ドゥンドゥンの国内外を結び付けている秘密でもある。(c)CNS/JCM/AFPBB News