【2月15日 東方新報】このほど終了した北京冬季オリンピックの開会式で、虎頭帽(トラの頭の形をした帽子)をかぶった子供たちが視聴者に深い印象を残したことから、日本では虎頭帽が流行するようになった。実は、中国の寅年(とらどし)の春節(旧正月、Lunar New Year)が始まってまもなく、「干支経済」は中国で爆発的な盛り上がりを見せ、いたるところで「虎虎生威(勢いを増す)」の虎の要素が見られている。

 干支(えと)には中国人の伝統文化や民俗に対する特別な感情が込められており、独特な「干支経済」を生み出している。昔から春節になると、十二支をモチーフにした年越し用品が販売されてきた。近年、中国では、「中国ブランドカルチャー」の風潮が巻き起こり、中国市民の干支経済への情熱にさらに火がついている。オンライン、オフラインに関わらず、十二支と「縁故」があるブランドであれば、中国人はすぐにショッピングカートに入れてしまう。大人気な年越し用品消費は中国市場の新たな風潮を反映しているだけでなく、事業者に新たなチャンスや収益トレンドをもたらしている。

 日中両国は一衣帯水で、地理的に近く、文化的に密接な関係を持っている。中国の春節の民俗は隋唐時代に日本に伝わった。欧米諸国に比べ、日本は中国の干支文化を理解しているだけでなく、干支文化を「満喫する」ことでも世界の先頭を走っている。日本では虎は決断力や才知の象徴とされている。世界初の干支切手は、日本が1950年に発行された寅年の切手だ。ケンゾー(KENZO)やタイガー魔法瓶(TIGER)などに代表される多くの日本ブランドも、虎の要素をデザインに取り入れたり、ロゴにしたりしている。ただ、欧米ブランドが中国の干支経済への参入に意欲を燃やしているのに対し、日本ブランドは総じて落ち着いているようだ。

 元をたどれば、1つ目は、日本ブランドが中国市場で訴求力と認知度を持っていることだ。1980年代から、日本のソニー(Sony)、パナソニック(Panasonic)、三洋電機(Sanyo)などの家電製品は中国で有名になっている。早い段階で中国市場に進出し、一流の品質により、日本ブランドの中国での評判は良好だ。また、日本ブランドは欧米ブランドのようにデザインやパッケージを常に一新するのではなく、オリジナルのスタイルを維持したがり、祝日を機に促進・宣伝する意欲は、全体的に欧米ブランドほど高くない。2つ目は、数年前に干支経済を打ち出したことがあるため、日本社会は干支文化をより平常心で見るようになった。

 しかし、中国の「90後(1990年代生まれ)」、特に「Z世代(すでにインターネットが普及していた時代に生まれた、デジタルネイティブと呼ばれる世代)」の消費マインドに変化が起きている。中国の若者たちは「中国ブランドカルチャー」の風潮を好み、ファッションを追求している。欧米勢は、ファッション業界からスポーツ業界に至るまで、こうした変化に注目し、中国の干支経済の追い風に乗るためのビジネス戦略を見直している。

 2020年、日本の高齢化は過去最高を記録し、すでに世界第1位となっている。2022年に満20歳になる日本の「新成人」の数は過去最低を記録する見通しだ。少子高齢化が進むということは、日本国内の消費のさらなる不振を意味している。日本経済が成長を維持するためには、「国外を見続ける」ことに留まらず、中国の若い消費者により一層密着しなければならない。干支経済は無視できない一大盛宴と言えるだろう。(c)東方新報/AFPBB News