【2月17日 CNS】中国で昨年以降、1本1000元(約1万8169円)台の超高級ビールが相次いで発売されている。

 中国最大手の華潤啤酒(CR Beer)は昨年上半期、1箱2本入り999元(約1万8151円)の超プレミアムビール「醴(Li)」を発売した。同社の侯孝海(Hou Xiaohai)CEOは「ビール業界のリーディングカンパニーとして、中国のビール文化を促進するため『醴』を作った」と説明している。

 これに続き、青島ビール(Tsingtao Brewery)は最近、「一世伝奇」アートコレクション超プレミアムビール(1.5リットル)を1399元(約2万5418円)で売り出した。原麦汁濃度は23.9 P、アルコール度数は10.5%で、これまでの醸造ではできなかったまろやかな味わいを実現しているという。賞味期限は3年間で、これまでのビールの常識を打ち破る長さ。ビールに新しいコレクション価値を与えようとしている。

 バドワイザー(Budweiser)も今年2月1日の春節(旧正月、Lunar New Year)を前に、「マスターレジェンド虎年限定版」(789ミリ)を1588元(約2万8853円)で発売した。かつてドイツ・バイエルンの修道士たちがライ麦とチョコレート麦芽を使った伝統の醸造技術と、現代の先端技術を組み合わして作ったという。

 中国で最高級とされている白酒(コーリャンなどが原料の蒸留酒)の貴州茅台酒(Kweichow Moutai)に匹敵する価格は話題となり、インターネット上では「白酒は年月がたてばたつほど価格が上がる。ビールに同じ価値があるとは思えない」と否定的意見も目立つ。ただ、中国企業資本連盟の杜猛(Du Meng)会長は「一部の消費者は『優れた商品なら値段が高くても道理はある』という認識を持っている」と指摘。中国ブランド研究所の朱丹蓬(Zhu Danpeng)高級研究員は「ビール会社はブランド力をアピールすることが目的で、実際の消費より宣伝の効果が大きいでは」と分析している。(c)CNS-中国経済網/JCM/AFPBB News