【2月14日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)文物考古研究院は、同自治区オルドス市エジンホロ旗で2021年11月に新石器時代~青銅器時代(4200年前~3500年前)の朱開溝文化に属する新たな遺跡を発見したと明らかにした。住居跡や墓地など各種遺構が出土した。これらの発見は、朱開溝文化の内容を探る上で新たな材料になるという。

 遺跡の年代は約4千年前で、面積は約50万平方メートル。出土地の村名にちなみ沙日塔拉遺跡と名付けられた。

 昨年の調査では500平方メートルを緊急発掘し、住居跡8カ所、灰坑と灰溝30カ所、墓31基、道路2本、窯跡1カ所を発掘。土器や石器、玉器、骨角器など150点余りが出土した。

 住居跡の多くは円形、角丸方、方形などの竪穴式構造で、保存状態はあまり良くなかった。灰坑は多くが円形で、平底か丸底をしており、一部からは全身の骨格をとどめた犬の骨が出土した。祭祀(さいし)的な性質を持つと思われる。墓はすべて竪穴土坑墓で、多くが角丸または弧状辺の長方形。成人墓と小児墓があり、単葬墓が多く、葬具はほとんど使われていなかった。

 発掘スタッフによると、出土した大量の玉器や貝飾りは地元産ではなく、遠方との交流で運ばれてきたもので、当時の先住民が他地域と密接な文化交流と物品のやり取りをしていたことを物語っている。また、地表で採取した青銅器と製錬焼結塊は、遺跡で製錬鋳造が行われ、青銅器が使用されていた可能性を示唆しているという。

 遺跡からは三足甕や縄文鬲(り、3本足の煮炊器)、単把鬲など生産土器と生活土器も大量に出土した。石器は主に石刀で、骨器は錐(きり)や針などがあった。卜骨(ぼっこつ、占いに使う骨)は、牛または羊の肩甲骨を熱したり穴をあけたりして加工していた。

 同遺跡は、先史時代の河套地域(黄河が「几」字形に湾曲する地域)の集落と社会形態を研究する上で貴重な実物資料になるという。(c)Xinhua News/AFPBB News