【2月11日 AFP】ドーピング検査で陽性だったことが判明したフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)について、ロシア五輪委員会(ROC)のスタニスラフ・ポズドニャコフ(Stanislav Pozdnyakov)会長は11日、ワリエワの検査をめぐっては「重大な疑念」があると述べた。

 ポズドニャコフ会長はロシア通信(RIA)に対し、「検体が処理されたタイミングには重大な疑念が湧く。サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で回収されたのが昨年の12月25日で、実際に処理されたのは2月8日」と話し、「まるで誰かが(ワリエワが金メダルを獲得した)団体戦が終わるまで検体を保管していたみたいだ」と指摘。

 さらに、「世界反ドーピング機関(WADA)の検査所の国際基準によれば、検体を処理する期間は受け取ってから20日間だ」とし、「検体が1か月近くかけてサンクトペテルブルクからストックホルムに運ばれたのは不自然」と主張した。「この事態が起きた明確な理由」が知りたいとも語った。

 ワリエワの五輪出場を認めたロシア側の決定に対しては、国際オリンピック委員会(IOC)と国際スケート連盟(ISU)が異議を申し立てている。

 ワリエワが陽性反応を示したのは、狭心症やめまいの治療に用いられるトリメタジジン(Trimetazidine)で、血流の効率を高めて持久力を上げる効果があるため、WADAによって禁止されている。(c)AFP