【2月10日 AFP】(更新)北京冬季五輪のフィギュアスケート団体戦でロシア五輪委員会(ROC)を優勝に導いた15歳のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)が、大会前の薬物検査で禁止薬物に陽性反応を示したと、9日にロシアメディアが報じた。

 これによりROCが獲得した団体戦の金メダルは剥奪される可能性があり、ワリエワ自身も15日から始まる個人種目への参加が危ぶまれる。

 ロシアの日刊経済紙RBCの報道によれば、検体はワリエワが優勝した1月の欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2022)前に採取されたものだという。

 検出された薬物は、狭心症やめまいの治療に用いられるトリメタジジン(Trimetazidine)だと日刊紙コメルサント(Kommersant)は伝えている。

 トリメタジジンは血流の効率を高めて持久力を上げる効果があるため、世界反ドーピング機関(WADA)によって禁止されている。

 報道によれば、8日に予定されていた団体戦のメダル授与式が延期されたのは、今回の件が理由だったという。

 国際オリンピック委員会(IOC)の広報のマーク・アダムズ(Mark Adams)氏は10日、メダル授与式をめぐっては「法的な問題が進行中」だとし、報道についてはコメントできないと説明。ドーピングに関する問題だとの報道は「臆測」だと付け加えた。

 また、授与式が行われるまでどれくらいかかるかとの質問に対しては、「法的手続き次第だ。あらゆる人が可能な限り迅速に取り組んでいると想像する」と答えた。

 2014年のソチ冬季五輪で国家ぐるみのドーピング違反を行ったとして、ロシア選手は今回ROCとして出場している。

 今大会のフィギュアスケート団体戦ではロシアが優勝し、米国が2位、日本が3位に入った。(c)AFP