【2月11日 CNS】中国・南部の広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)は2021年のGDPが1兆元(約18兆円)を超え、「1兆元クラブ」の仲間入りを果たした。中国で1兆元を超えた24番目の都市となった。また、北京市のGDPは4兆元(約73兆円)を超え、中国初の「4兆元都市」となり、上海市も4兆元を超える見通しだ。

 1兆元を超えるGDPは都市の経済力の象徴だ。東莞市は1月11日の記者会見で「GDPが1兆元を超え、人口は1000万人を超えた」と2つの「偉業」を発表した。


 中国では2006年に上海市がGDP1兆元を突破し、2008年に北京市、2010年に広東省広州市(Guangzhou)と続いた。2011年に広東省深セン市(Shenzhen)、天津市(Tianjin)、江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)、重慶(Chongqing)の4市が1兆元クラブ入り。その後は2014年に湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)と四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)、2015年に浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)、2016年に江蘇省南京市(Nanjing)と山東省(Shandong)青島市(Qingdao)、2017年に江蘇省無錫市(Wuxi)と湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)、2018年に浙江省寧波市(Ningbo)と河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)、2019年に広東省仏山市(Foshan)と続いた。2020年は「1兆元ラッシュ」を迎え、福建省(Fujian)の福州市(Fuzhou)と泉州市(Quanzhou)、江蘇省南通市(Nantong)、安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)、陝西省(Shanxi)西安市(Xi’an)、山東省済南市(Jinan)が相次いで1兆元を超えていた。

 東莞市は2021年に「1兆元クラブ」に昇格した唯一の都市となる見通し。「クラブ予備軍」にあたる山東省煙台市(Yantai)、江蘇省の常州市(Changzhou)と徐州市(Xuzhou)、遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)、河北省(Hebei)唐山市(Tangshan)などはGDPが7000億元(約12兆7154億円)を超えているが、1兆元まではまだ距離がある。

「1兆元クラブ」の都市を地理的に見ると、中国南部が18市、北部は6市で、南部に集中している。省別に見ると、広東省は東莞市が新たに仲間入りしたことで深セン、広州、佛山と計4市が1兆元を超え、蘇州、南京、無錫、南通の4市を持つ江蘇省と肩を並べた(北京、上海、天津、重慶は直轄市で省に属さない)。中国最大の経済省である広東省と江蘇省の競争は今後も続いていきそうだ。

 北京市のGDPは前年比8.5%増で4兆元を突破。コロナワクチンメーカー2社の北京科興中維生物技術(Sinovac Research & Development)と国薬北生研が2300億元(約4兆1779億円)のGDPをもたらしたことが大きい。上海市はまだ2021年のGDPを発表していないが、2020年のGDPは北京より高い3兆8700億元(約70兆円)に達しており、2021年に4兆元を超えたことは確実視されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News