【2月9日 AFP】アフリカのソマリア北部で一方的に独立を宣言している「ソマリランド共和国」の外相エッセ・カイド・モハムード(Essa Kayd Mohamoud)氏が台湾を訪問し、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と9日に会談した。カイド氏は会談の中で、台湾について「アフリカとアジアでの民主主義の闘士である2者による特別かつ歴史的な関係だ」とたたえた。

 カイド氏は会談で「国際的なパートナーの協力を認めない威圧的ないしは脅迫的な全ての措置は、地域と世界が必要とする平和と安全を促進するのに寄与しない」と、ソマリアや中国の動きをけん制した。

 双方は、2020年に代表機関を相互に設置。中国、ソマリア両国が反発したものの、関係を強化してきた。台湾とソマリランドは共に経済が安定し、実質的に独立国家となっているが、国際的な国家承認は得られていない。

 ソマリアは、ソマリランドと台湾の代表機関の相互設置について、「ソマリアの主権を侵害する暴挙だ」と非難。中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は、「(台湾が)分離主義を模索するのみならず、他国の独立と統一を脅かすためにあおっている」と批判した。

 昨年12月にはニカラグアが台湾と断交して中国との国交を復活させ、台湾と外交関係を持つ国は14か国にまで減っている。(c)AFP