【9月9日 AFP】アフリカ東部のソマリアで半独立状態を続けるソマリランド共和国は9日、台湾に代表機関を開設した。未承認ながら事実上の主権を有する両者は関係を深めており、それぞれ中国とソマリアから反発を招いている。

 台湾とソマリランドは、互いの特殊で孤立を強いられる国際的立場に共通点を見いだし、近年密接な関係を築いている。先月には台湾が、ソマリランドに代表機関を開設した。

 中国政府は台湾を自国領土の一部と見なし、武力による統一も辞さない構えを示している。台湾を承認し外交関係を結んでいるのはわずか15か国だが、多くの国が台北(Taipei)に大使館に相当する貿易事務所を設置している。

 一方、ソマリランド共和国は、1991年の内戦中にソマリアからの独立を宣言。情勢は相対的に見て安定している。一部の国はソマリランドとの非公式な外交関係を結んでいるが、これ以外の国は国家として承認していない。

 台北での式典に出席したソマリランドのモハメド・ハギ(Mohamed Hagi)代表は、「ソマリランドと台湾の相互協定は、自由と民主主義という共通の価値観の上に成り立っている」と述べた。(c)AFP