【2月6日 東方新報】中国国家統計局と中華全国婦女連合会は、10年に1実施する「中国における女性の社会的地位調査」の結果を発表した。進学・就労で女性の割合が増え、夫婦間の平等意識も高まっている一方、家事労働などでは女性の負担がまだ多い傾向だ。

 調査は1990年、2000年、2010年に続いて4回目。発表によると、2020年の女性の高等教育(大学、短大など)進学率は54.4%で、2010年と比べ27.9ポイント上昇。大学・短大に通う女性は1674万2000人で全体の51.0%を占め、大学院生は159万9000人で50.9%となり、いずれも男性を上回った。

 18~64歳の女性の就業率は都市部で66.3%、農村部で73.2%。都市部の女性就業者は2010年より39.5%増の6779万4000人に達した。社会全体の就業者のうち女性が43.5%を占め、「40%以上を維持」とする政府目標を達成した。

 家庭内の重要なことは夫婦で決める傾向が高まっている。子どもの出産については91.1%が「夫婦で話し合う」と回答。マイホームの購入で「妻が決定に参加する」という回答は2010年より15.6ポイント多い90.0%だった。自分名義の不動産を所有している既婚女性は5.6ポイント増の18.8%、夫婦共有名義の割合は11.9ポイント増の39.9%。未婚女性で自分名義の不動産を持つ割合も3.4ポイント増の10.3%だった。

 また、夫から肉体的・精神的な暴力を受けたことがある女性は2010年から5.2ポイント減の8.6%。家庭内暴力(DV)の定義を明確にした反DV法が2016年に施行された効果もあるとみられる。女性の平均寿命は2010年の77.3歳から2020年には80.8歳に伸びている。国連の人口統計によると、女性の平均寿命は世界平均より4年高く、184か国中62位。

 一方、「0~17歳の子どもの日常生活の世話」を母親が担っている割合は76.1%、「宿題の指導」は67.5%、「送り迎え」は63.6%と、それぞれ女性の割合が高い。働く女性が家族の世話や料理、掃除、買い物などの家事に使う時間は平均2時間34分で、男性の約2倍だった。また、3歳未満の子どもがいる家庭の35.1%が保育サービスを必要としているが、日中に主に保育士が世話をしているのは2.7%のみ。63.7%は母親が世話をしている。

 調査グループは「この10年で夫と妻の地位はより平等になったが、家族の世話で女性の負担は重く、公共サービスも不足状態が続いている」と指摘している。

 中国ではかつて毛沢東(Mao Zedong)氏が「女性は天の半分を支えている」と語った言葉から、女性は「半辺天」とも呼ばれる。社会主義国家として「男は仕事、女は家」という封建社会を打破するため、女性の社会進出を奨励し、保育園が園児に朝・昼・夕の三食を提供する(夕食は家庭で食べることを想定し、軽食の場合も多い)など、共働きを支える態勢が広がっている。家庭で料理をする成人男性も多い。

 それでも女性が主に家事を担う状況が続いていることが、今回の調査で浮かび上がった。男女が平等に「天を支える」には、まだまだ意識と社会両方の変革が必要とされている。(c)東方新報/AFPBB News