【2月4日 CNS】中国のケンタッキーフライドチキン(KFC)が発売した「盲盒(ブラインドボックス、Blind Box)」の転売品がインターネットで高額で売られており、問題になっている。

 ブラインドボックスとは開けるまで箱の中身が分からない仕組みで、中国でいま大人気となっている。KFCは今回、食事とセットでブラインドボックスを販売。ブラインドボックスの中身は、フィギュアメーカー大手・ポップマート(Pop Mart)の人気シリーズ「Dimoo」のKFC限定版。フィギュアは6種類に加え「隠れバージョン」もあり、どの種類が手に入るかは買ってみないと分からない。セットの値段は99元(約1780円)で、1セットで2〜3人分の量がある。

 KFCが大都市の店舗でセットを販売したところ、「爆買い」の波を引き起こした。あるネットユーザーはレシートを公開し、106セットを1万494元(約18万8715円)で購入したと明かした。ブラインドボックスは26万3880個販売されたが、「まったく買えない」と言う声が多い。武漢市(Wuhan)、長沙市(Changsha)、寧波市(Ningbo)などの店舗では販売開始から2日以内に売り切れたという。

 一方で限定フィギュアはインターネットですぐに売買され、1月10日には「ブラインボックスの中古品が8倍の値段に高騰した」とニュースにもなった。ある中古品サイトでは、フィギュアのセットの価格は600~800元(約1万789円〜1万4386円)で取引され、隠れバージョンは800元を超えている。

 ブラインドボックス目当ての客の中には、購入した食べ物を捨てたり、他の客に食べてもらったりしている。「料金をくれたら、食事だけ私が食べてフィギュアを送ります」という「プロの食事代行屋」も現れた。

 こうした状況からKFCに対し、「飢餓感をあおって商品の売り上げを伸ばす商法だ」と批判も起きている。

 KFCは2021年第3四半期段階で中国全土に7908店舗があるが、営業利益は前年同期比で31%減少し、利益率は前年同期の18.6%から12.2%に減少している。KFCを運営するヤム・チャイナ(Yum China)は「プロモーションコストの増加、賃金の上昇、持ち帰り注文の増加によるデリバリースタッフのコスト上昇などが原因」と説明している。

 一部のアナリストは「KFCがブラインドボックスを販売したのはマーケティングの観点からだけで見れば、新たな消費者層を広げたと言える。だが、質的にパフォーマンスを向上させるためには、消費者のニーズを長期的につかみとる必要がある」と指摘している。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News