【2月3日 AFP】ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は3日、新型コロナウイルス対策で実施している厳格な入国制限を27日から5段階に分けて緩和すると発表した。10月までの撤廃を目指す。

 ニュージーランドは新型コロナの流行開始からほぼ2年間にわたり、世界で最も厳しい入国制限を維持してきたが、国内では緩和を求める声が高まっていた。

 アーダーン氏は「家族や友人が再会を待ち望んでいる。企業は成長のための人材が必要だ。輸出業者は新しいコネクションを広げなければならない」と説明した。

 まず、海外で足止めされているニュージーランド国民について、ホテルでの隔離なしでの帰国を認める。オーストラリアに滞在している人は今月27日から、それ以外の国に滞在している人はその2週間後から帰国を受け入れ、10日間の自主隔離を求める。

 続いて、専門技術を持つ移民、留学生、オーストラリア人など受け入れ対象を段階的に拡大し、最終的にワクチン接種済みの外国人全ての入国を認める。ワクチン未接種の場合は引き続き、ホテルでの隔離が義務付けられる。

 ニュージーランド入国には現在、軍の監視下のホテルでの10日間の隔離が義務付けられている。ただ、現行制度下で確保されているホテルの部屋は1か月当たり800室のみで、定員の10倍の申し込みがあることも多かった。

 アーダーン氏は、隔離制度が新型コロナ封じ込めに重要な役割を果たし、人口約500万人のニュージーランドで死者を53人に抑えることができたと主張。「隔離制度は本当に胸が張り裂けるほどつらいものだった。だが、それを導入した選択が命を救ったのは間違いない」と述べた。

 ニュージーランド航空(Air New Zealand)は発表を受け、3月にオーストラリアとの間で300便以上を運航する用意を進めているとしている。(c)AFP